もしあなたが古物商になりたいと思っていたとしたら、「古物商の許可申請にはどのような書類が必要なのか?」ということは、とても気になる事柄ではないでしょうか。
許可申請には許可申請書と添付書類が必要となります。書類の量はそれほど多いわけではないのですが、添付書類においては普段は馴染みのない書類もいくつか存在していますので何かと不安に思うこともあるかもしれません。
そこで今回は、古物商許可申請の個人申請に必要な書類を列挙し、解説したいと思います。
前回の記事では、個人申請の場合に必要となる書類をご紹介しました。 法人名義で古物営業を行う場合は法人を申請人として許可申請を行う必要があります。 今回は、法人申請の際の必要書類を列挙していきます。個人申請に比べて記載事項 …
必要書類一覧
申請者が個人の場合、必要書類は次の通りです。
- 許可申請書
- 住民票(申請者および管理者)
- 申請者の略歴書(申請者および管理者)
- 欠格事由に該当しない旨を記載した誓約書(申請者および管理者)
登記されていないことの証明書(申請者および管理者)※令和元年12月14日から不要- 身分証明書(申請者および管理者)
- ホームページのURLを使用できる権原を疎明する資料(ホームページを利用する場合)
- 申請人が未成年の場合に必要となる書類
このうち、許可申請書・略歴書・誓約書については各都道府県警察のホームページから様式をダウンロードすることができます。
古物商許可を自分で取りたい方は必見!古物商の許可申請に必要な書類の書き方を大公開します。「どんな書類が必要なのか?」「どのように書類を記入したらよいか?」が詳しく解説されています。
以前このサイトでは、古物商許可申請に必要な書類についてご紹介しました。 その中に登場するのが、「登記されていないことの証明書」と(※令和元年12月14日から不要)「身分証明書」という書類です。 日頃、滅多に使用することが …
管理者について
管理者とは、古物営業を行う営業所における責任者のことです。営業所には必ず1名の管理者を置かなくてはなりません。例えば10か所の営業所がある場合には、各営業所に1名ずつ(合計10名)の管理者が必要になるということです。
なお、申請人と管理者は兼務することができますので、個人申請の場合は、申請人が管理者を兼任するかたちで申請することがほとんどです。
したがって、住民票などの書類は1通で足ります。
例えば、同一都道府県に複数の営業所を持つ個人や法人は1つの許可で古物営業が可能になります。 しかし、実際に古物を取引する営業所や古物市場において、まったく知識のない者が古物営業をすることは、盗品の流通を見過ごしてしまう可 …
申請人が未成年の場合に必要となる書類
たとえ未成年であっても法定代理人の許可を受けていれば許可申請をすることができ、古物商になることができます。しかし、通常の申請書類に加えて次のような追加書類が求められます。
- 法定代理人の氏名および住所を記載した書面
- 法定代理人の許可を受けていることを証明する書面
なお、20歳未満であっても、婚姻をしている者は成人とみなされますので、法定代理人の許可は必要ありません。したがって、これらの書類は不要です。
民法753条(成年擬制)
- 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
ただし、飲酒や喫煙ができるわけではありませんのでお間違いなく。
法定代理人とは?
法定代理人とは、法律により本人に代わって各種契約などの行為を行うことができる権限を与えられる者のことで、例えば、未成年の親権者や成年後見人などが法定代理人にあたります。
例えば、未成年が携帯電話の契約を本人でする場合に親の委任状を求められるのは、法定代理人の許可が必要だからです。
古物商の相続人である未成年者で、法定代理人の許可を受けていない場合に必要な書類
古物商の許可を受けた者が死亡した場合には、許可証を返納しなければなりません。
したがって、未成年の相続人が古物営業を継承する場合には新規の許可申請が必要になるのですが、この場合、法定相続人の許可がなくても法定相続人が欠格事由に該当しなければ許可が受けられる例外的ルールがあります。
- 相続人である未成年者の氏名および住所を記載した書面
- 営業所の所在地を記載した書面
- 法定代理人の略歴書
- 法定代理人の住民票
- 法定代理人が欠格事由に該当しない旨を記載した誓約書
未成年は法定代理人の許可なく古物営業ができないはず!?
前述のとおり、原則として未成年が古物商許可を受けようとする場合、法定代理人(通常は親)の許可をもらわなければならず、法定代理人の許可がないと以下のように欠格事由に該当し、許可を受けることはできません。
古物営業法4条9号(欠格事由)
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。
しかし、申請人が古物商の相続人であって、かつ、その法定代理人が欠格要件に該当しない場合は、法定代理人の許可がなくても古物商許可を受けることができるとされています。
古物営業法4条9号のつづき(要約)
- ただし、その者(未成年の申請人)が古物商又は古物市場主の相続人であって、その法定代理人が欠格事由のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
古物商許可は、一般的に誰でも取得することが可能です。しかし、法令に定められた欠格事由に該当してしまうと、たとえ許可申請をしたとしても許可を受けることはできません。 許可を申請する前に欠格事由に該当しないかどうかを確認して …
「住民票の写し」は、コピーのことではない!
古物商許可申請の解説をした警察や代行業者のホームページでは、必要書類として「住民票の写し」が挙げられています。
この「住民票の写し」とは、いわゆる「原本」のことであり、コピーではありませんので十分に注意してください。
なぜ「写し」なのに「原本」なのか?
普段、役所で取得した住民票を「原本」と称していますが、それは紛れもなく「写し」になります。
なぜなら、本当の原本は役所に保管されており、持ち出すことはできないからです。(現在はデータで管理されていると思います)
ですから厳密には、いわゆる「原本」は「写し」であって、「コピー」は「写しの写し」ということになります。
許可申請ガイドの「住民票の写し」という表記は、正式な呼び方であって、決して間違いではありませんが、一般の方の感覚とズレが生じてしまい、混乱してしまうのだと考えられます。
ここでしっかり理解して、誤解のないようにしておいてください。なお、当サイトでは、誤解を招かないように「住民票」とだけ表記しています。
まとめ
いかがでしょうか?
許可申請には、どの程度の書類が必要なのかがボンヤリとお分かりいただけたのではないでしょうか。
「住民票の写し」をコピーと勘違いされる方はとても多いので、お間違いのないようにしてください。
各書類の具体的な書き方や収集の仕方などについては、今後、このサイトでもご紹介していこうと思っていますので、楽しみにしていてください。
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