もしも盗品がネットオークションに出品されたとして、何も知らない第3者が買ってしまうと、窃盗犯がその売却代金を入手することになってしまいます。また、盗品等の所在が不明になるなど被害の回復に支障を及ぼす恐れもあります。
これを是としていたら犯人はきっと同じことを繰り返すでしょう。窃盗が増えれば被害者も増えることを意味しますから絶対に許してはいけません。
そこで古物営業法では、ネットオークションに出品された古物が盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は古物競りあっせん業者に対し、その古物の競り(ネットオークション)を中止することを命ずることができるとされています。
今回はネットオークションの中止命令について解説していきます。
ネットオークション(競り)の中止命令とは?
まずは法律を確認しておきましょう。
古物営業法21条の7
- 古物競りあっせん業者のあっせんの相手方が売却しようとする古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物競りあっせん業者に対し、当該古物に係る競りを中止することを命ずることができる。
まず確認しておきますが、古物競りあっせん業者とはネット-オークションを運営する者のことです。
詳しくはこちらをご覧ください。
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盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合とは?
「盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合」とは、常識的に考えて盗品等であると疑う根拠が客観的に見て合理的に存在することをいいます。
相当な理由
盗品等であると疑う根拠があるかどうかは、警察本部長等がその個々の事案ごとに判断することになります。
現に窃盗が発生しており、その被害品と出品物との同一性が合理的に推測される場合には、「相当な理由」があると認められます。
判断の基準としては次のようなものが挙げられます。
- 被害届の有無
- シリアルナンバー等の顕著な特徴の合致
- 官公庁の身分証明書や市販前の商品等で、ほとんど流通していない者が出品されており、かつ、同種のものの被害届が提出されていること など
競りを中止するとは?
古物競りあっせん業者が競りの中止を命じられた場合どうすればよいかという問題ですが、これはホームページから削除するということになります。
まとめ
いかがでしょうか?
古物競りあっせん業者が盗品等を見つけて自発的に申告する義務とは違い、警察側から一方的に中止を命じられ、それに従うという形態になります。
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なお、ネットオークションの中止命令に従うことは義務になりますから、義務違反には罰則があります。
もし警察の命令に違反すると、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることになりますのでご注意ください。
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