古物営業法には、「防犯」と万が一盗品の売買が行われてしまった場合の「被害の迅速な回復」という目的があります。
この目的を達成するため、古物商には様々な義務が課せられているのですが、そのうちの一つが「差止め」と呼ばれるものです。
今回は、古物商の「差止め」についてご紹介します。
「差止め」とは?
「差止め」とは、警察本部長等が古物商に対し、盗品等の疑いのある古物について一定期間の間その取引を停止しその古物の保管を命じることです。
分かりやすく言い換えると、警察署からの「古物の保管命令」です。
古物営業法21条
- 古物商が買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けた古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物商に対し30日以内の期間を定めて、その古物の保管を命ずることができる。
差止めは、盗品等が第三者に転売されることを防止し、被害者に対して速やかに盗品の回復ができるようにするための制度です。差止めを受けた古物所は、定められた期間は適正にその古物を保管しなければなりません。
なお、差止めを受けた古物は売却することができなくなります。また、交換の委託を受けた古物である場合は、委託者に返すこともできなくなりますので注意が必要です。
差止めを受けた古物を売ってしまったらどうなる!?
もし古物商が差止めを受けた古物を保管せず売却してしまった場合、その古物商は古物営業法違反となってしまいます。
このとき、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性がありますので、安易に取引してしまわないようにご注意ください。
古物営業法には、古物営業を行う者が遵守すべき義務が複数規定されています。 これは、古物営業を許可制と定めている古物営業法の「防犯」という目的のためです。 古物営業法の目的についてはこちらで詳しく解説しています。 法令で定 …
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