古物商が最も気になる警察の立ち入り検査とは?

古物営業法では、警察職員による古物商の立ち入り検査についての定めがあります。

一般人ですら警察に抵抗を感じるわけですから、おそらく古物商許可を受けた方が最も気にしている規定の一つではないでしょうか?

今回は、警察の立ち入り検査について確認していきましょう。

立ち入り検査

立ち入り検査は、古物営業の実態を把握し、あるいは盗品等が混入していないかどうかを確認するために、警察職員が営業所や古物市場等に立ち入り、古物や帳簿等の検査等をする制度です。

古物営業法22条1項(抜粋)

  • 警察職員は、必要があると認めるときは、営業時間中において、古物商の営業所若しくは仮設店舗、古物の保管場所、古物市場又は競り売りの場所に立ち入り、古物及び帳簿等を検査し、関係者に質問することができる。

帳簿等

帳簿等には、パソコンのハードディスクに記録された古物取引に関する記録を電算出力帳票なども含まれます。

なお、立ち入り検査を拒否したり帳簿等の検査を不当に拒んだりすると、10万円以下の罰金に処される可能性があります。

報告の要求

警察本部長等は、古物商、古物市場主または古物競りあっせん業者から盗品等に関し必要な報告を求めることができることとされています。

古物営業法22条3項

  • 警察本部長等は、必要があると認めるときは、古物商、古物市場主又は古物競りあっせん業者から盗品等に関し、必要な報告を求めることができる。



もし、警察の求めに対し不当に報告をしなかったり虚偽の報告をすると、10万円以下の罰金に処される可能性があります。

立ち入り検査に関する規程(愛知県)

愛知県公安委員会は、法律に基づく立ち入り検査に関する手続きを定めた規程「犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく立入検査に関する規程」が存在しています。

以下に要約したものを示しておきます。

犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく立入検査に関する規程

愛知県公安委員会規程第2号

第1条(趣旨)
この規程は、犯罪による収益の移転防止に関する法律の規定に基づき実施する特定事業者の営業所その他の施設への立入検査に関し必要な事項を定めるものとする。

第2条(立入検査の実施)
立入検査は、犯罪による収益の移転防止、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保するために必要があると認められる場合に行うものとする。

第3条(立入検査員の指定)
保安課長又は警察署長は、次に掲げる者のうちから、立入検査を行う者を指定するものとする。

  1. 古物営業法関係事務を担当する警察職員
  2. 前号に掲げる者のほか、適当と認められる警察職員

第4条(立入検査員の遵守事項)
立入検査員は、立入検査を実施するときは、次に掲げる事項を遵守するものとする。

  1. 正当な業務を妨害することのないようにすること
  2. 犯罪捜査のために利用しないこと

第5条(結果報告)
立入検査員は、立入検査を実施したときは、速やかにその結果を保安課長又は警察署長に報告するものとする。

2.保安課長又は警察署長は、前項の報告を受けたときは、必要により公安委員会に報告するものとする。

第6条(委任)
この規程に定めるもののほか、立入検査に関し必要な細目的事項は、警察本部長が定めるものとする。

まとめ

いかがでしょうか?

実際、あまり立ち入り検査をされることはないようですが、まったくされない保証などありません。

万が一、立ち入り検査が入ったときに、取引の記録や帳簿の備付けなど、古物営業をする者の義務をきちんと果たしていないと、たとえやましいことをしていなくても変な疑いを持たれたり、目を付けられる可能性もあります。

今一度、ご自身の古物営業について見直し、「いつ立ち入りがあっても大丈夫!」というくらいの仕組みを構築しておいてください。

おそらく、標識(プレート)が表示されているかもチェックされると思います。油断して表示していない方は、今すぐ見えやすいところに設置しておきましょう。