取引記録義務古物商または古物市場主は、その取引の内容を記録し、3年間保存しなければなりません。これは、法律上の義務となっていますので、違反すると罰則があります。

古物商と古物市場主の取引記録義務についてはこちらをご覧ください。

一方で、古物競りあっせん業者にも取引の記録についての規定はあるものの、古物商または古物市場主とは違い、努力義務となっています。

今回は、古物競りあっせん業者における取引の記録についてご紹介します。

古物競りあっせん業者における取引の記録

古物競りあっせん業者は、古物の売買をしようとする者のあっせんを行ったときは、書面またはパソコンによる記録の作成および保存に努めなければならないとされています。

古物営業法21条の4(抜粋)

  • 古物競りあつせん業者は、古物の売買をしようとする者のあっせんを行つたときは、書面又は電磁的方法による記録の作成及び保存に努めなければならない。



これは、古物を売買しようとする者のあっせんをしたときの記録を作成し、一定期間記録することで、盗品等の処分状況を明らかにして、盗品等の速やかな発見を図り、その被害の迅速と盗品等の売却防止に資するためです。

記録すべき事項

古物競りあっせん業者が記録に努めるべき事項は以下の通りです。

古物営業法施行規則19条の3第1項

  1. あっせんに係る古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供した年月日
    (例)古物の出品日
  2. あっせんに係る古物に関する事項及びあっせんの相手方を識別するための文字、番号、記号その他の符号であって、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供したもの
    (例)古物の出品情報および出品者、落札者のユーザーIDなど
  3. あっせんの相手方が当該古物競りあっせん業者によるあっせんのため当該古物競りあっせん業者が記録することに同意した上であらかじめ申し出た事項であって、当該相手方の真偽の確認に資するもの
    (例)出品者、落札者がユーザー登録した際の登録事項であって、古物競りあっせん業者が記録することに同意したもの

自動公衆送信

たとえば、サーバーにアップされたサイトやファイルを利用者が閲覧したり、ダウンロードすること。

出品者、落札者がユーザー登録した際の登録事項

ユーザーIDに加えて住所、氏名、年齢があれば十分と考えられますが、これらの情報と同程度の特定できるようなものであれば他のものでも構いません。

保存に努めるべき期間

記録の保存に努めるべき期間は、1年間とされています。

古物営業法施行規則19条の3第2項(要約)

  • 古物競りあっせん業者は、記録の作成の日から1年間保存するよう努めなければならない。

記録の保存方法

記録の方法は特に規定されていません。たとえば、以下のような方法があります。

  1. サーバー上で公衆の閲覧に供することができる状態で保存すること
  2. 公衆の閲覧に供することを前提とせずにサーバー上のハードディスクで保存すること
  3. 記録媒体に記録してこれを保存すること
  4. 記録用紙に印刷してその用紙を保存すること

努力義務を果たしていると認められる事例

次にような場合には、努力義務を果たしていると考えられます。

  1. 古物の画像は1年間保存していなくても、その他の出品情報をテキストデータを等で1年間保存している場合
  2. 現に1年間記録を保存していなくても、1年間保存するための具体的計画がある場合

具体的計画

記録を保存するための手段と目標達成に至る過程が具体体に示されているものに限られています。

まとめ

いかがでしょうか?

努力義務ということもあって、古物商や古物市場主も記録義務に比べて記録事項や記録期間の負担も小さいものとなっています。

努力義務はその義務を果たさなくても罰則はありませんが、「防犯」のため、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。