古物商の義務|古物商標識(プレート)掲示とホームページへの表示

商売をする者にとって、その取引相手が一体何者であるかということは大きな関心事ではないでしょうか。

とりわけ、古物営業においては許可制度が採用されているため、取引相手が適法に許可を取得しているかどうかをあらかじめ確認することは非常に重要です。

そのため古物商または古物市場主は、「公安委員会の許可を受けている」という事実を周知させるようにしなければならないとされています。

今回は、古物商または古物市場主が遵守すべきルールである「標識の掲示」「ホームページへの表示」についてご紹介します。

標識(プレート)の掲示

古物商または古物市場主は、公安委員会の許可を受けていることを容易に識別することができるようにするため、営業所や仮設店舗、古物市場ごとに標識(プレート)を掲示しなければなりません。

古物営業法12条1項

  • 古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。



これによって無許可営業を排除し、古物営業の健全な発展を図ろうとするものです。

標識の様式

では、標識とはどのようなものなのか?ということになりますが、法令によって以下の2種類の様式が定められています。

  1. 古物営業法施行規則に定めるもの
  2. 公安委員会の承認を受けた古物商または古物市場主によって組織された団体で、その構成員に共通して利用させるものとして定めたもの

1.古物営業法施行規則に定めるもの

古物営業法施行規則によって定められた様式で、その形状や記載内容まで細かく規定されており、一般的に広く利用されています。

施行規則に定められた様式は以下の通りです。
標識1

<留意点>

  1. 材質は、金属、プラスチックまたはこれらと同程度以上の耐久性を有するものとする。
  2. 色は、紺色地に白文字とする。
  3. 「○○○○」の番号は、許可証の番号とする。
  4. 「△△△商」の「△△△」には、営業所または仮設店舗において取り扱う古物の区分を記載すること。(2種類以上の古物を取り扱う場合は、主として取り扱う古物の区分を記載する)
  5. 「美術品類」については「美術品」と記載すること。
  6. 「時計・装飾品類」については「時計・宝飾品」と記載すること。
  7. 「自動二輪車および原付」については「オートバイ」と記載すること。
  8. 「自転車類」については「自転車」と記載すること。
  9. 「写真機類」については「写真機」と記載すること。
  10. 「機械工具類」については「機械工具」と記載すること。
  11. 「道具類」については「道具」と記載すること。
  12. 「皮革・ゴム製品類」については「皮革・ゴム製品」と記載すること。
  13. 「金券類」ついては「チケット」と記載すること。
  14. 「××××」には、古物商の氏名または名称を記載するものとする。



標識2

<留意点>

  1. 材質は、金属、プラスチックまたはこれらと同程度以上の耐久性を有するものとする。
  2. 色は、紺色地に白文字とする。
  3. 「○○○○」の番号は、許可証の番号とする。
  4. 「△△△市場」の「△△△」には、営業所または露店において取り扱う古物の区分を記載すること。(2種類以上の古物を取り扱う場合は、主として取り扱う古物の区分を記載する)
  5. 「美術品類」については「美術品」と記載すること。
  6. 「時計・装飾品類」については「時計・宝飾品」と記載すること。
  7. 「自動二輪車および原付」については「オートバイ」と記載すること。
  8. 「自転車類」については「自転車」と記載すること。
  9. 「写真機類」については「写真機」と記載すること。
  10. 「機械工具類」については「機械工具」と記載すること。
  11. 「道具類」については「道具」と記載すること。
  12. 「皮革・ゴム製品類」については「皮革・ゴム製品」と記載すること。
  13. 「金券類」ついては「チケット」と記載すること。
  14. 「××××」には、古物市場主の氏名または名称を記載するものとする。


2.公安委員会の承認を受けた団体が指定するもの

古物営業法施行規則に定めるもののほか、公安委員会から承認を受けた団体がそれぞれ指定する様式も認められています。

公安委員会の承認を受けている団体には、「一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会」、「全国刀剣商業協同組合」、「日本チケット商協同組合」などがあります。

ホームページへの表示

古物商は、ホームページ利用取引をしようとするときは、その取り扱う古物に関する事項とともに、古物商の氏名または名称、許可をした公安委員会の名称および許可証の番号をそのホームページに表示しなくてはなりません。

古物営業法12条2項(要約)

  • 古物商は、ホームページを用いて取引をしようとするときは、その取り扱う古物に関する事項と共に、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。



許可証の番号については、「その取り扱う古物に関する事項と共に」表示しなければならないので、取り扱う古物を掲載している個々のページに表示するのが原則です。

ホームページに表示する場所としては、古物を取り扱うサイトのトップページに表示する方法と、トップページからリンクを貼った別ページに表示する方法があります。

なお、リンクを貼る際には、古物営業法の規定に基づく表示を行っているページのリンクであることが分かるものでなければなりません。

トップページからリンクを貼る表示例は次の通りです。
表示

まとめ

いかがでしょうか?

標識については、申請先の警察署で購入を勧められることもありますが、ネットショップで格安のものを購入することも可能です。

中には、穴あけ加工をしてスタンドを取り付けることができるものや、壁に吊り下げることができるものもあるようです。

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